ヒノキをえがく

名前だけはよく知っているが、
実物は映像でしか見たことがない。
都会にすんでいると
そういうことになりかねません。
今回のモチーフはヒノキ。
「大人のアトリエ」より水彩画のご紹介です。

絵画ではボタニカルアートという
植物画の分野があります。
その植物の特徴をとらえ、
どんな植物なのか見るひとにぱっとわかるような
写実的なえがきかたで人気があります。
でもそうではない描きかたがあってもいいのでは?
たとえば・・・。
作者がもってきたのはヒノキの小枝でした。

まんなかあたりの葉が重なりあったところに、
わかりにくいかもしれませんが
実が数個ついています。
この枝を平面におくと
右のほうがねじれるようにうきあがります。

押し花のような平面ではありません。
このねじれこそ、
この小枝の生育の歴史。
右がわに影がつくように照明をあて
それを強調しています。

しげりあった色の濃い緑と、
光をあびて育った枝先のあかるい緑。
このびみょうな色あいを
先入観を排し、
いかにこまかく描き分けるか。
完成するまでには
思っていた以上に時間がかかりました。

アトリエに来ている小学生にみせても
ヒノキという名前はでてきませんでした。
ただ台風なんかのあとに公園にいくと
よくこんな枝がおちているとか。
だったら思わずひろってみたくなるような、
そんな実在感を
少なくとも絵のなかでは表現したい。
ひとつのチャレンジです。

見ているだけで鼻の奥がむずむずしてきて、
は、は、はぁくしょーん。
花粉症が誘発された・・というのは
ジョークですが、
ほめことばとしてそういってみたくなるような、
ちからのみなぎった
とてもいい作品になりました。
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