月の光とフクロウ

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耳をすませてください。
かすかに何か聞こえてきませんか。

あれは月の光がしたたり落ちる音です。

ぇっ、ほんとうですか。

フクロウのわたしがいうのだから確かです。

作者は中学3年生の女子。油絵。

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月のひかりが一滴、水のおもてに落ちる。

水の輪ができるが、
また、もとにもどる。

この音を聞きたければ、
あなたは静けさを表現する必要があります。

フクロウのアドバイスに、
作者は敏感に反応しました。

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絵のハイライト(もっとも明るい部分)を
フクロウのひたいのところにもってきたのも、
そのひとつです。

月の光はながれるように
フクロウの体をすべりおち、

それまで平板だった体が、
立体的に立ち上がってきました。
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厚くもりあがった絵の具の存在も、
この絵のしずけさを支えているのでしょう。

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よけいなものをそぎ落とし、
フクロウのかたちを抽象化していく。

すると神秘的なふんいきが、
絵のなかにひろがりました。


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司馬遼太郎 少年少女世界の美術館より

少年や少女たちが、
その年齢のときから美しいものにあこがれ、
何が美しく、何が嫌悪すべきものであるかを身につけなければ、
きっと醜悪なものの中で
平然としている人生を送るにちがいない。

美の訓練は、
智恵のできた大人になってからでは遅いらしい。


100-150-z-a-0020.jpg
   
フクロウのこの目は、
いったい何をみているのでしょう。

フクロウの視線はわたしではなく、
どこか遠くをみているかのよう。

それはわたしであり、
わたしではないもの。
たましいのようなものかもしれません。

神秘的なふしぎさを感じさせる、
ユニークで、
とてもおもしろい作品になりました。

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