いろんなねこのおきもの

国がちがえば、なき声の表現もちがってきます。
「にゃお」となくのは日本のねこ、
このなかではいっぴきだけです。
ねこのなきごえをどう表現するかは、
その国のことば(言語)と
ねことの接し方(文化)によってちがってきます。
作者は小学6年生の男の子。油絵。
野性的で、日本のねこを圧倒するようなつらがまえ。
こちらは東南アジア出身。
うっかりすると見慣れたジャパニーズ・キャットふうに
なってしまいがちです。
そうしなかったところに作者の知的好奇心と
観察力がよくあらわれています。

日本のねこは
千年以上も前の物語にすでに登場しています。
プライドの高そうな表情は、
そんな日本の風土と歴史をせおっているせいでしょうか。

このねこたちをまとめあげるためには
かなりの絵画的腕力(わんりょく)が必要。
黒、白、朱赤の力づよい色彩を
ねこたちの強い個性にぶつけました。
ただかわいいだけのねこをかいたのではない。
作者の強いメッセージがこの色彩からも感じられます。

司馬遼太郎さんは
『少年少女世界の美術館』のなかで
子どもたちのためにこんな文章を寄せています。
少年や少女たちが、
その年齢のときから美しいものにあこがれ、
何が美しく、何が嫌悪すべきものであるかを身につけなければ、
きっと醜悪なものの中で
平然としている人生を送るにちがいない。
美の訓練は、
智恵のできた大人になってからでは遅いらしい。

絵が完成したとき、
絵のなかのねこは、一瞬、キャンバスからぬけだし、
作者をみあげたことでしょう。
どんなふうにかいてくれたんだい?
作者とねこたちのプライドが火花をちらした瞬間でした。


それからねこたちはゆっくりと
絵の具がかわくまでの時間のなかに
もどっていきました。
茶色のボスねこは自分の国のなきごえで
こういったようです。
作者だけにきこえたことばです。
でもここはご紹介しないわけにはいきません。
英語になおすと、
You are wonderful !
日本語になおすと、
きみってすごいなあ!
ふしぎに肉体的なてごたえのあるおもしろい絵になりました。

ランキングに参加しています。
クリックで応援をお願いいたします。
↓
にほんブログ村
ホームページへもどうぞ。
↓
スポンサーサイト




