おばあちゃんちのキッチン 第63回 日本ジュニア展 入選
第63回 日本ジュニア展 入選作品
おばあちゃんちのキッチン (油彩)
10才

ボールにいれたレタスの葉を
一枚ずつ水洗いしているところです。
まないたの上には切りかけのにんじん。
オーブンのなかには
ちょうどいい焼き色のついた
グラタンが見えます。
ちょっと待ってね。
いまお料理をしているところなの。
そんな声がきこえてきそうなおばあちゃんちのキッチン。

これは住宅のモデルハウスにあるような
キッチンではありません。
お料理のいい匂いがしたり、
あのね、きょう学校でね・・・・と話をしたくなるような
生活空間としてのキッチンです。
キッチンですから
流しは深さがあるように見えなければおかしいし、
まないたが空中に浮いていては
こまります。
そうならないように
流しを斜め上から眺めるような位置で
中心をすこしずらして描きました。

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感が
気持ちよく働かなくては
生活空間としてのキッチンにはなってくれません。
見る、耳をかたむける、触れる、あじわう、においをかぐ・・・
これらの感覚を小さなよろこびとすることで
キッチンはなりたっています。
壁をオレンジ色に近いクリーム色にして
あたたかな雰囲気を
つくりだしました。

正面には
料理をしているときに
ふと目を休めたくなるような窓があります。
跳び石のある小道が見えて、
いまは桜の花が満開。
幼稚園のころには石の上をけんけんしながらやってくるわたしを
おばあちゃまはいつもここから眺めていました。
ときどきはカタツムリやアリンコを見つけて
長い寄り道をしたりして・・・。

司馬遼太郎さんは
『少年少女世界の美術館』のなかで
子どもたちのためにこんな文章を寄せています。
少年や少女たちが、
その年齢のときから美しいものにあこがれ、
何が美しく、何が嫌悪すべきものであるかを身につけなければ、
きっと醜悪なものの中で
平然としている人生を送るにちがいない。
美の訓練は、
智恵のできた大人になってからでは遅いらしい。

絵のテーマとしては
あまりとりあげられることのないキッチンですが、
これを選んだところに
作者のセンスがあります。
絵のなかにおばあちゃまの気配が感じられ、
それがこの絵にあたたかさとおもしろさをあたえています。
お待ちどおさまー。さあどうぞ。
いまにもそんな声がきこえてきそうな絵になりました。
この作品は 第63回 日本ジュニア展 に
入選しました。
日本ジュニア展のようすはこちらからどうぞ。
その1 その2

おばあちゃんちのキッチン (油彩)
10才

ボールにいれたレタスの葉を
一枚ずつ水洗いしているところです。
まないたの上には切りかけのにんじん。
オーブンのなかには
ちょうどいい焼き色のついた
グラタンが見えます。
ちょっと待ってね。
いまお料理をしているところなの。
そんな声がきこえてきそうなおばあちゃんちのキッチン。

これは住宅のモデルハウスにあるような
キッチンではありません。
お料理のいい匂いがしたり、
あのね、きょう学校でね・・・・と話をしたくなるような
生活空間としてのキッチンです。
キッチンですから
流しは深さがあるように見えなければおかしいし、
まないたが空中に浮いていては
こまります。
そうならないように
流しを斜め上から眺めるような位置で
中心をすこしずらして描きました。

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感が
気持ちよく働かなくては
生活空間としてのキッチンにはなってくれません。
見る、耳をかたむける、触れる、あじわう、においをかぐ・・・
これらの感覚を小さなよろこびとすることで
キッチンはなりたっています。
壁をオレンジ色に近いクリーム色にして
あたたかな雰囲気を
つくりだしました。

正面には
料理をしているときに
ふと目を休めたくなるような窓があります。
跳び石のある小道が見えて、
いまは桜の花が満開。
幼稚園のころには石の上をけんけんしながらやってくるわたしを
おばあちゃまはいつもここから眺めていました。
ときどきはカタツムリやアリンコを見つけて
長い寄り道をしたりして・・・。

司馬遼太郎さんは
『少年少女世界の美術館』のなかで
子どもたちのためにこんな文章を寄せています。
少年や少女たちが、
その年齢のときから美しいものにあこがれ、
何が美しく、何が嫌悪すべきものであるかを身につけなければ、
きっと醜悪なものの中で
平然としている人生を送るにちがいない。
美の訓練は、
智恵のできた大人になってからでは遅いらしい。

絵のテーマとしては
あまりとりあげられることのないキッチンですが、
これを選んだところに
作者のセンスがあります。
絵のなかにおばあちゃまの気配が感じられ、
それがこの絵にあたたかさとおもしろさをあたえています。
お待ちどおさまー。さあどうぞ。
いまにもそんな声がきこえてきそうな絵になりました。
この作品は 第63回 日本ジュニア展 に
入選しました。
日本ジュニア展のようすはこちらからどうぞ。
その1 その2

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