えをかいているわたし 第63回 日本ジュニア展 入選
第63回 日本ジュニア展 入選作品
えをかいているわたし
8才
えをかいているわたし
8才

わたしに見えているのは腕のこのあたりまでだなあ。
どうして顔がないんですか?
なんていう質問は、
三歳の子どもではないんですから
もちろんパス。
作者は小学三年生の女の子。

絵を描いているとき、
まわりの景色は自分の体と地続きになって
こんなふうにひろがっています。
わたしたちは目でものをみるかぎり
見ているものと地続きでしか見ることができません。

ふだん気がつかなかったことに、
なにかのひょうしにちょっと気がつく。
これっておもしろいんじゃないの?
そういう反射神経のよさが
この作者のもちあじです。

なにを描いているんでしょうね。
めだまらしいけれども人間ではないみたい。
絵をえがいている「わたし」が、
もしも犬だったら、
この絵とはまったくちがったふうに世界が見えているはずです。
もしアリだったら、金魚だったら・・・・
生きものたちがどんなふうに空間を見ているかは
生きていく上での戦略があって
それぞれがまったくちがうそうです。

司馬遼太郎さんは
『少年少女世界の美術館』のなかで
子どもたちのためにこんな文章を寄せています。
少年や少女たちが、
その年齢のときから美しいものにあこがれ、
何が美しく、何が嫌悪すべきものであるかを身につけなければ、
きっと醜悪なものの中で
平然としている人生を送るにちがいない。
美の訓練は、
智恵のできた大人になってからでは遅いらしい。

ピンク色のカーペットが
ゆるやかに湾曲しています。
窓からは、
手前にみどりがあって遠くに富士山が見えて
遠近法になっています。
こんなくふうがあるために、
部屋がとても広々として感じられます。
それは部屋だけではなく、
作者のあたまのなかも
きっと風とおしのいい広い空間になっているのでしょう。
そんなことまで想像させてくれる
ユニークで楽しい絵になりました。
この作品は 第63回 日本ジュニア展 に
入選しました。
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