道
同じ方向にこまかな線を重ねながら面をつくっていくおもしろさ。
力の加減や、ほかの色をくわえたときの色調の変化が、
そのまま痕跡として残っています。
食べ始めたらとまらない、
というお菓子のコマーシャルがありましたが、
描きはじめたらとまらない。すみからすみまで、
この手法で描ききってしまいました。
作者は11歳の男子。
「道」は水と出会って、山のふもとへと大きく迂回(うかい)しています。
でもよく見ると、おもしろい発見がたくさんあります。
たとえばこの土。描いたときの指のリズムが、
そのまま見る人に伝わってきます。
風の動きをみせた草原。
山影をうつした水色。
表現から伝わってくる感触が、とれも繊細で楽しい。
遠くに鳥の姿がみえます。
この鳥になったつもりで、
絵のなかをこちらまで飛んできてみてください。
はるばると飛行してきたなあ。
ひとつ深呼吸をすれば、
さまざまな感触のなかにあったのは、
かぐわしい大地の香り。
色鉛筆を使っているので、
ちょっと地味に見えてしまいますが、
絵のなかに描きこんだ作者の思いは、この「道」のように、
少しばかり迂回して、見る人のところに
とどくようになっています。
第58回 日本ジュニア展 入選 & 特選受賞
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