椅子の上の大地
椅子の上に置かれた白い布は、
端が床に垂れています。
椅子の上の空間を、
はるかなものへ続く大地ととらえたとき、
絵のイメージは一気にふくらみました。
逆三角形の位置におかれた動物たち。
一見すると不安定にもみえるこの構図のなかに、
小学六年生、
男子のたくらみが隠されています。
工芸品としてデフォルメされ、
あざやかな色にぬられた木彫りの動物たち。
でもこの動物の、文明を拒否したような立ちすくみかた。
どこか野性を剥き出しにした色と形。
おまえたちのほんとうの姿は、こんなものではないだろう。
あのたけだけしくも高貴な野性を忘れてしまったのか。
野性をとりもどさせてやりたい。
こうして、一枚の布は白く輝く砂の丘になり、
赤や青のうねりは、不安定に揺れる大地そのものに変化しました。
輝くようなこの白のなかに、
作者が野性のなかに見たかったものが象徴されています。
第58回 日本ジュニア展 入選作
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