アネモネのある静物画
学生時代、数学の図形(幾何)の問題で、
すっと有効な補助線が引けたときのことを思い出してみてください。
一本の線がたちまち解答への手がかりをあぶり出してくれる。
そういった経験がたぶんおありかと思います。
逆のパターン。
むだな線はいくらでも引けるのに、なんの手がかりにもならない。
えっ、そんなに簡単なことだったの?
解答を知ってがっくり。
この絵の作者は小学一年生の女の子。
どちらのパターン? もちろん決まっています。
幾何学模様のついたモノトーンの、とても美しい布てす。
連続した模様と置物をどのていど重ねたらきれいに見えるか。
水平に連続した模様に対して、垂直にまじわるライン。
線と線の微妙な間隔や配色。
小気味いいほど打つ手がみんな決まっています。
花を両脇からはさみこんで黄色の縦じまをつくり、
アネモネのうすむらさきを美しくみせています。
むらさきと黄色は補色の関係、などいった知識がなくても、
直感で選んでまちがっていません。
たとえばメキシコ製の木製の動物。
アネモネの花びんによりそって、
一瞬顔を斜めにふりあおいで花を見つめています。
この微妙な顔の角度。
丸々とした猫は、陶器でできたフランス製の置物。
球型の胴体の側面には模様もついているのですが、
それを正面から描いて見る人をなっとくさせてしまいます。
縦じまのひとつには、アラジンの魔法のランプのような
ポットを積み重ねた連続模様が・・。
カーテンが左右に開けられ、陽ざしが差し込んできたところです
布の模様をていねいに描いただけのことはあります。
カーテンが閉じられていたとき、この作者、
ひょっとしてアラジンの魔法で、アネモネにでも変身していたのかもしれません。
第58回 日本ジュニア展入選
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