たのしい夏の夜

夏の夜ってなんだか楽しい。
どうしてかなぁ。
作者は小学五年生の女の 子。油絵。
夏の夜が五感(目、耳、鼻、口、ひふ)にあたえてくれる楽しさ。
それがこの絵のテーマです。
わーっ、きれい。
花火は目で楽しむとどうじに、
その音でも楽しませてくれます。(目、耳)

汗をかきながらたべるのに
すいかほどふさわしいものはありません。
赤、みどり、黒というはでな色は
まさに夏のくだもの。
あじわうのはもちろんのこと
すいかには独特のにおいもあります。(目、口、鼻)。

気がつきました? ほたるです。
かすかなあかりを目でおってください。(目)
まさか食べたことがある人はいないと思いますが、
そおっとさわってみたことのある人は
いるかもしれません。(ひふ)

風鈴はうごきと音で、
わたしたちの目と耳をたのしませてくれます。(目、耳)
うちわはやわらかい風で
暑さを一瞬、わすれさせてくれます。(ひふ)
むかしの人は今のわたしたち以上に
夏の五感を楽しんでいたにちがいありません。

司馬遼太郎さんは
『少年少女世界の美術館』のなかで
子どもたちのためにこんな文章を寄せています。
少年や少女たちが、
その年齢のときから美しいものにあこがれ、
何が美しく、何が嫌悪すべきものであるかを身につけなければ、
きっと醜悪なものの中で
平然としている人生を送るにちがいない。
美の訓練は、
智恵のできた大人になってからでは遅いらしい。

絵のなかの白い帯のようなものは銀河です。
そのむこうには宇宙がひろがっています。
広大な宇宙だけは直接、五感で感じることはできません。
でもそれがあるということがわかるのは
ふしぎですね。
夏がくるたびに思い出したくなる
とても楽しい絵になりました。


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