アトリエのくるみわり人形 第63回 日本ジュニア展 入選作品
第63回 日本ジュニア展 入選作品
アトリエのくるみわり人形
9才
アトリエのくるみわり人形
9才

はじめての油絵では
いままで描いたことのあるくるみわり人形その他が
ずらりとせいぞろい。
数が多いと思われるかもしれませんが、
油絵の特徴をいやでもつかんでしまう
アトリエ10ならではの定番。
作者は小学校3年生の女の子。

色の上に色をかさねても、
色がにごらない!
実際にやってみないと
こういうことはなかなか実感できません。
色彩が美しいのは
絵の具を自分の使いやすい濃さに
うまくに調整しているからでしょう。

マントの裏地を黒にしたので
色彩にくっきりとしたコントラストがうまれました。
とくに人形たちの足もとにある桜色。
この色をよく考えてつくりだし
ここにもってきたことで
全体の色彩があざやかにグレードアップ。
油絵ではあとから塗った色で
絵がいっきに変わるということがよくあります。

日本では
国立新美術館をはじめとして
さまざまな展覧会がひらかれています。
油絵を描いた経験があると、
ほんもの(実物)と複製物(コピーしたものや本など)とのちがいが
頭ではなく感覚としてわかってきます。
ぜひ美術館にも足をはこんで
ほんもの(実物)を見てためしてみてください。

司馬遼太郎さんは
『少年少女世界の美術館』のなかで
子どもたちのためにこんな文章を寄せています。
少年や少女たちが、
その年齢のときから美しいものにあこがれ、
何が美しく、何が嫌悪すべきものであるかを身につけなければ、
きっと醜悪なものの中で
平然としている人生を送るにちがいない。
美の訓練は、
智恵のできた大人になってからでは遅いらしい。

この作者も
ホームページにのった自分の作品をみて
あれっ、どこかちょっとちがうみたい、と思うかもしれません。
もちろん、そちらにあるのが本物。
実物と複製物(コピー)の差です。
一枚の絵を描くことでも
いろいろな経験をすることができます。
そんな経験をひきだしてくれる
とてもいい絵になりました。
この作品は 第63回 日本ジュニア展 に
入選しました。
日本ジュニア展のようすはこちらからどうぞ。
その1 その2
