エゴン・シーレ & ゴッホを模写する

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エゴン・シーレの自画像をみたとき
なにか特別に感じるものがあった。

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その絵を模写することで
それが何なのかわかるかもしれない。

作者は男子大学生。油彩。

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見下すのでも、侮蔑するのでもない、
この視線がみつめるもの。

自画像にはそうしてみつめるエゴン・シーレと
見つめられるエゴンシーレが、
二重写しになっています。

こちらが「ほおづきのある自画像」(1912年)
というタイトルがつけられた原画です。


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この模写が完成したあと作者は、
エゴン・シーレとなってみつめる自分と
エゴン・シーレになってみつめられている自分という自画像を
描かずにはいられなくなります。

見かたをかえれば
高揚した心をゆっくりと沈静化させる必要が
あったのかもしれません。

それが「エゴン・シーレのイメージで自画像をえがく」に
結実しました。

若さの象徴とでもいうべき
このだいたんなチャレンジは
ひとつづきの
流れとなっています。

画像クリックで 1 から2へとごらんください。

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ゴッホのひまわりに挑戦したのは
小学1年生の男の子。

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家族でゴッホの展覧会にいったとき
この絵がいちばん印象にのこったそうです。

自分でも「その絵」をかいてみたい。

残念なことに作者はまだ油絵をやっていないので、
あの黄色は表現できません。

ところがこの作者は色鉛筆で、
構図そのものをたくみにえがきとりました。

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自分のしっているひまわりとは
ちょっとちがう。

かれている花もいっしょにかいている。

まんかいの花はぜんぶ正面むき。

背が高いのでひっくりかえらないようにしている。
(重心が中央部にくるように構成)

こういう発見をおしえてくれました。

感動したことをアクションにつなげる。
そのいきいきとした反応は、
作者の知的領域をさらに
おしひろげてくれることでしょう。

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犬のみるゆめ

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こんなにしあわせそうにねむっているけれど
いったいどんな夢をみているのかなあ。

犬を飼ったことのある人なら
愛犬のねむっている姿をみていちどは
考えたことがあるはずです。

作者は高校生。油絵。

この絵は大きくわけて
三つの部分からできています。


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1)どこかに大きなのゆめの樹があり、
そこから花粉のようにゆめがはこばれてくる。

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2)わんちゃんはそれをすって
いまはゆめのなか。

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3)そんなわんちゃんのゆめを
絵そのもので表現

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さてどんなゆめをみていたかわかりましたか?
ポイントはここ。
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これはつばさをもった犬です。

ギリシャ神話には
つばさをもった馬、ペガサスが登場します。

天馬(ペガサス)のように天空をかけまわりたい!

ワンちゃんはいま
地上といわず大空まで
ゆめのなかで走りまわっています。

この満足げな表情!

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司馬遼太郎さんは
『少年少女世界の美術館』のなかで
子どもたちのためにこんな文章を寄せています。

 
少年や少女たちが、
その年齢のときから美しいものにあこがれ、
何が美しく、何が嫌悪すべきものであるかを身につけなければ、
きっと醜悪なものの中で
平然としている人生を送るにちがいない。
美の訓練は、
智恵のできた大人になってからでは遅いらしい。

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作者は絵のモデルになってくれたわんちゃんに
ごほうびを(もちろん)あげたことでしょう。

月日がたったとき
ごほうびをもらったのは(じつは)わたしのほうだった、
と気がつくかもしれません。

こまやかな愛情のやりとりが
絵のなかからもつたわってくる美しい絵になりました。

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エゴン・シーレのイメージで自画像をえがく

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エゴン・シーレの自画像に
自分の感性をゆさぶるなにかがあった。

模写をすることで
それがなんであるのか知りたかった。

エゴン・シーレの感性をとおして
自画像をえがく。

 作者は男子大学生。油彩。

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この顔がいつもの自分の顔であるなら
エゴン・シーレという感性のフィルターをとおした
意味がありません。

かといってまったく他人の顔であるなら
自画像とはいえない。

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そんなふうにしてえがかれた絵なので
似ているかどうかなどは問題ではありません。

エゴン・シーレの自画像には
「精神の深みをのぞいた」といわれるような
ふしぎな魅力があります。

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自画像では極端に背景がはぶかれていることが多い。

樹木がえがかれていたとしても、
枯れ葉がついているといったていど。


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おびえ、いらだち、不安といった感情を
奥歯でかみころして
挑戦的にこちらを見つめている。

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このまなざしをえがくために
ずいぶんと時間をついやしました。

絵が完成したとき
作者は胸のうちのなにかが癒されたと感じたはずです。

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この作者には強い意志力があり、
持続的にものごとを考えることができ集中する力がある。

自分自身のなかに独自な価値観をもち
ときにしずかな情熱を燃えたたす。

エゴン・シーレのちからをかりて
そうした一面を自画像のなかにくっきりと表現しました。

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エゴン・シーレの自画像を模写する

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ルノアールでも、ゴッホでも、ピカソでもなく、
エゴン・シーレという画家の、
それも自画像を選んだということ。

この絶妙な選択がすべてを物語っている
といってもいいほどです。

作者は大学生の男子。油彩。

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骨格がはっきりと手で触れられそうな
意志的な下顎(したあご)。

高い鼻梁(びりょう)のむこうに
一瞬、こちらを見ているようでいて
鏡のなかの自分を見つめている視線。


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エゴン・シーレは1890年、ウィーンでうまれました。
当時、画壇に君臨していたのは
アールヌーボーふうな美で世界を席巻した
グスタフ・クリムト。

親子ほども年の離れたクリムトに
エゴン・シーレは自分のデッサンを差し出し、
批評と助言をもとめたことがあります。

君はすでにわたしよりよく知っているではないか。
これがそのときのクリムトのことばです。

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こちらが「ほおづきのある自画像」(1912年)
というタイトルがつけられた原画です。

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この絵を見たとき作者は
ほかの絵では味わえなかった
精神のバイブレーション(震え)を感じ取ったのでしょう。

それがなにかを知るためには
ゆっくりと時間をかけ心の共鳴板を
とぎすましていくしかない。


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エゴン・シーレがたどったであろうそのままを
キヤンバスに写し取っていく。

その時間の経過でしかみえないもの、
つたわらないものこそが
この画家が追いもとめたものではなかったか。


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エゴン・シーレへの深い共感が
この絵に落ち着きをあたえると同時に、

人間の存在をむき出しに表現したいという欲望が
筆のタッチにもつたわってきます。

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模写としても、また作者の作品としても
なにか人の心をとらえてはなさない
熱量のつたわってくるとてもいい作品になりました。

こういう絵がかけたのも
感受性がするどい若さの特権といっても
いいかもしれません。

エゴン・シーレの一生は第一次世界大戦をはさんで
28年という短いものでした。

第二弾として作者は
「エゴン・シーレのイメージで自画像をえがく」を
完成させました。
こちらもクリックしてごらんください。↓

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美しい花はあやしくはないか

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美しい花はあやしくはないか。

イエスと答えようとノーと答えようと
思わず目をこらしてしまいそうです。

作者は大学生の男子。油絵。

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あやしい、怪しい、妖しい。

ましてやこの花が
スニーカーの中から姿をあらわしているにいたっては。

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微妙な筆のタッチにみとれているうちに
独特な世界へと引きこまれていきます。

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 アインシュタインが出現する以前の物理学では
空間はエーテルという光や音をつたえる媒質がつまっていると
考えられていました。

ゆれて、ゆがんで、光や音が波状になって伝わっていく・・。

美は不安定で見方によっては曲者(くせもの)。
そんな考えが出てきてもおかしくはありません。

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馬遼太郎さんは
『少年少女世界の美術館』のなかで
子どもたちのためにこんな文章を寄せています。


少年や少女たちが、
その年齢のときから美しいものにあこがれ、
何が美しく、何が嫌悪すべきものであるかを身につけなければ、
きっと醜悪なものの中で
平然としている人生を送るにちがいない。
美の訓練は、
智恵のできた大人になってからでは遅いらしい。
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絵は数式などよりもっと大きなインパクトで
人の視線をとらえて放さないことがある。

そんな体験がきっと作者にもあるのでしょう。

この絵もまた人の視線をとらえてはなさない
ふしぎな魅力のある絵になりました。

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